野球における走り方

野球のニュースで、「走・攻・守全て揃った〜」という言葉をよく聞きます。
走るという動作は攻撃・守備問わず、重要な動作の一つです。
また、どんなスポーツにおいても必要な事です。

これが出来ていないと、盗塁が成功しなかったり、守備時では捕れるボールも捕れなかったりします。
走る時に大切なのは、スタート、そして中盤、最後にランディングです。
つまり全てです。
全て出来ていないと、結果はついてこないでしょう。
ここでは、盗塁編、守備編と分けて細かく見ていきます。

■盗塁編

1.スタート

盗塁時におけるスタートはとても重要です。
スタートが盗塁の8割を決めると言っても過言ではないと思います。
スタートでの最重要事項は「投手のフォームを盗むこと」。
それが出来た上での事を以下に記載します。

まずはこの動画を見てください。

相手投手のモーションを盗み、キレイに盗塁を決めている動画です。

この動画をバラして解説してみます。











スタートを切るまでは、腰を落として相手投手に集中します。
いつでも走り出せるように、いつでも戻れるように体重や意識を分けます。
私は塁に出ると(一塁に限り)、7:3の割合でスタートに比重を置きます。
次の塁を取る事を考えなければならないので、自分の右半身にスタートへの意識を置きます(7割)。
戻る事も大切なので、体重ではなく「戻る意識」を持ちます(3割)。
この時に私は投手全体をぼんやりと見ています。
人によっては牽制時のクセを盗んでいて、そのポイントだけを見ている人もいるかもしれません。
普段の投球と違った動きをしたらすぐ戻る。
通常の投球モーションに入ったら二塁ベースへダッシュです。
とにかく相手投手のモーションの違いを盗む事が何よりも大切です。
ベンチにいる時点からしっかり観察しましょう。











投手のモーションをしっかり盗めていてもアウトになってしまう人の多くは、
スタートで間違っている人が多いです。

上の画像を見てください。
リードの構えと、いざスタート→ダッシュ時の頭の高さが変わっていません。
逆に「ダッシュを殺してしまう人」の多くは、この段階で足が伸びきってしまい、「少しでも楽な姿勢」に
なろうとしている人が多いのです。
以前にも書いたように、下半身の力をフルに活かせないとダッシュになりません。
そして、頭の高さを変えないように「ダッシュ」を行います。便宜上、第一ダッシュとします。
リードの構えから視認できる方向を投手から二塁ベースに素早く切り替えます。
次の塁を取ろうと重心が移動しようとしているので、目線の方向を変えると、自動的に進塁方向に
倒れ込むような姿勢になると思いますが、それで良いのです。

下半身のバネを使って、思い切り地面を蹴ってダッシュしてください。
ここでは、目線を投手から二塁ベース方向へ素早く切り替える。
リードの時と頭の高さを変えないでスタート。
これを心掛けてください。











次に第二ダッシュです。
先ほど、「倒れ込むような姿勢」という話をしました。
上の画像を見てください。この選手も第二ダッシュ時には倒れ込むような姿勢になっていると
思います。前傾姿勢です。
野球では攻撃時・守備時に関わらず、長距離走のような胸を張ったフォームは一切使用しません。
常に前傾姿勢での動作が必要になります。
上の画像の選手も前傾姿勢になっていますが、実際には倒れません。
なぜか?
それは腕の振りに秘密があります。

人間の体は、前傾姿勢になる(重心が前に傾く)と自然と倒れ込みます。
それを抑える為に、腕を大きく後ろに引いてバランスをとってやります。
100m走のスプリンターを思い出してみてください。
クラウチングスタートからのダッシュ時に腕を振っていないスプリンターがいますか?
なぜいないか?人間の体の構造上、バランスがとれず、前に倒れ込んで競技にならなくなって
しまうからです。
そしてもう一つ。進塁方向を見ないということ。
これはあくまでも盗塁時のダッシュの時のみですが、進塁方向を見てしまうと、自然と前傾姿勢が
崩れ、胸を張ったフォームに戻ってしまいます。
ダッシュ時の目線の方向は、真下か2・3歩前が望ましいです。
走塁編時には腕の振りと目線が大きなポイントになります。

2.中盤











中盤での大きなポイントは歩幅にあります。
前傾姿勢でスタートしたのは良いが、中盤でスピードを失っては意味がありません。
そこでスピードを失わないようにする為に歩幅が重要になってきます。
細かく言えば「いかに小刻みに走れるか?」ということ。
先ほども書きましたが、野球では大きなストロークの走り方は必要ありません。
細かく細かく地面を蹴る事が必要になります。
では細かい歩幅で走るにはどうすれば良いか?
簡単です。腕をとにかく振れば良いのです。
騙されたと思ってやってみてください。腕を振るとなぜか脚が勝手に出てきます。
つまり腕をたくさん振ってやれば、勝手に歩幅が小さくなり、細かく走る事ができるのです。
また細かく走ると、スライディングまでの距離、ライナーバックもしやすくなります。
同時に重心を前に置いてやれば、スタートと変わらないスピードとフォームで走る事が出来ます。
もちろん、胸を張ってはいけません。

3.ランディング











ここで初めて重心を前から後ろに変えてやります。
上の画像で、ベースとの距離を見てください。この距離でです。
具体的に言えば、次の1歩か2歩でスライディングに入ります。
この距離まで基本的には前傾姿勢です。体が起き上がってしまう人の多くは、
塁間の中間辺りからスライディングを意識してしまっている事が原因です。











最後にスライディングです。
基本的な方法は前にも説明したので省きますが、スライディングは「突っ込む事」ではなく、
「滑る事」が目的です。
その為には「滑っている時間」を計算に入れなくてはなりません。
滑っている時間=歩幅で計算すれば早いです。

画像を見ると、ベースまで残り3・4歩手前からスライディングの始動に入っています。
「ベースまでちょっと遠いなぁ」というくらいのところからでも、意外と丁度良い距離だったりします。
多分、この記事を読んで意識して練習に臨んだ人は、ベースまでの感覚が少し変わってくると思います。
ダッシュやスピード感も少し違うでしょう。それに慣れてスライディングの始動の位置も計るようにしましょう。
また、今までフルに使えていなかった筋肉も使える事になると思います。ケアもしっかり行いましょう。

■守備編

「走塁編編」の基本的な走り方が出来ていれば、守備編も同じです。
ですので、ここでは書きません。
頭の位置や腰を深く落とす事を意識する。腕を振って前傾姿勢でボールまで全力で走る。
これが出来ていればどんなボールでも捕れます←言い過ぎ。

守備でも走塁編でも、基本は同じスポーツでの動きです。
「野球における走り方」を身につけましょう。

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